2017年3月6日月曜日

ヤコブ・ブロ・トリオを観た

3/2にヤコブ・ブロ・トリオを観に行きました。コットンクラブ初日のセカンド・セット。あの場所にぴったりな音楽かどうか、と問われるとちょっと違うよなと言うしかないんですが。どちらかというと地味で親密な佇まいを纏ったサウンドだ、と受け取っているからです。
ただし、あのくらいの広さの空間で聴けたのはよかったです。演奏はもちろん、空間を意識させられる音楽だから。イメージからすると今回のツアーでの関西の会場のほうが彼らの雰囲気には似合いそうです。どちらの会場も足を運んだことはありませんが。
ヤコブ・ブロの過去作を熱心に追いかけてないので厳密なことはわからないけど、ECM以前のアルバム含めて曲をピックアップしていた模様。それでも、すごく統一感があってトーマス・モーガン、ジョーイ・バロンとのコンビネーションの仕上がりに感嘆しました。淡々とした音楽ではあるんですがスイッチが入ったときの躍動感にニヤリ。
ダイナミクスを抑えてるときのトーマスの人差し指中心のフィンガリング、ジョーイのメゾピアノ〜ピアニシモでの音色の美しさと確かさ。ビートの存在感。ヤコブの楽器も持たずに立ってるだけじゃないかというくらい徹底した脱力具合、あまりフレット移動しないウネウネとしたフレージング。演奏上の印象的なポイントを挙げるとしたらこんなところでしょうか。
ブロの存在感を大切に、モーガンとバロンの柔らかくもトンがったプレイがきける貴重なトリオだと思いました。信頼感の強さが伝わります。それから音楽の顔つき、肌触りは違ってもポール・モチアンから受け取ったもの(あるいはビル・フリゼールから、リー・コニッツから)を3人ともどこかへ投げ返している。
アンコールがラヴ・ミー・テンダーだったのもチャーミング。
このライブを観てからだとアルバムもまた違って聴こえそうで、とりあえず、ECM最新作をアナログで入手することにしました。また今のトリオでレコーディングして欲しいです。時間と空間をとても意識させられるあの3人の音楽のこれからをまだまだ聴きたい。

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